スマートフォンが体に及ぼす影響とは?

モバイル市場が今年はついに4兆円を突破

先月日経BPコンサルティングが行ったスマートフォンを含むモバイル端末利用者4,400人を対象にアンケートを行いました。その結果をもとに国民全体でのスマートフォン普及率を換算するとおよそ28%になります。前年行った同じ調査では18%ですからここ1年で急増しているのが分かります。しかもこの数字は小さな赤ちゃんからお年寄りまでを含んだ国内全人口から割り出した数字ですので、赤ちゃんやお年寄りの人口を除いて算出すれば普及率の数字はもっともっと大きくなるでしょう。また、スマートフォンの市場規模も前年の約2兆5千億円から4兆2千億円と大きく増加。対象となっている市場はネット通販、おさいふケータイ、ネットオークションなどです。中でも市場規模も前年からの増加率も断トツに大きいのがネット通販の利用です。ネット通販の流通規模は市場全体の半分を超える約2兆2千億円でした。このように、スマホの普及率も市場規模も年々大幅に増加してきています。それと同時に最近心配され始めているのがスマホによる体への影響です。そのへんを少し探ってみたいと思います。

網膜へのダメージ

スマートフォンだけではなくパソコンやタブレット型パソコンにはLED画面が使われています。そしてそのLEDの発光時には青色の可視光線も発しています。この光は「ブルーライト」と呼ばれ、これを長時間浴び続けると体に様々な悪影響を及ぼすと考えられています。ただし、まだ医学的議論もなされていない段階ですので実際にはもしかしたらそんなに悪影響を及ぼしてはいないのかもしれないし、逆に物凄い悪影響を及ぼしているかもしれません。このようにまだ実際のところはどうなのかが分かっていないところが怖いところでもあります。 ブルーライトに長時間さらされていると「加齢黄斑変性」という網膜の病気を引き起こす可能性が考えられていて、この病気は最悪の場合、失明してしまうこともあります。 パソコン使用時にブルーライトを遮断する眼鏡が最近普及してきましたね。パソコン用眼鏡をお持ちの方はパソコン使用時だけでなくスマートフォンを利用するときも是非着用しましょう。

睡眠へのダメージ

【1】「概日リズム」の乱れ
網膜へのダメージはなんとなく想像がつきますが、睡眠への影響はあまりピンとこないのではないでしょうか?実はブルーライトは太陽光にも含まれている光線で、人体の「概日リズム」(サーカディアンリズムとも呼ばれています)と密接に関わっているのです。概日リズムは地球に存在する生物全てがそれぞれ持っている約24時間周期の生理現象のことです。例えば人の概日リズムは「朝、太陽光に含まれるブルーライトなどの光線によって覚醒、日中に行動し、日没とともにこれらの光線を浴びなくなり、体を休め、睡眠へ誘導される」というものです。しかし現代人はこの概日リズムが崩れつつあります。すなわち睡眠のリズムが狂い、睡眠障害を招いてしまっているのです。日が落ちてもヒマさえあればスマートフォンやパソコンを利用し、夜布団に入っても眠くなるまでスマートフォンをいじっている人が増えているからです。このように一日の大半はブルーライトを浴びている状態では概日リズムがくるってしまうのは当然といえば当然のことなのです。

【2】「メラトニン」の分泌阻害
「寝る前にあまり明るい部屋にいると寝つきが悪くなる」という話はスマートフォンが普及する前から言われていたことです。これは「メラトニン」という物質に関係してきます。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも言われており、夕方から分泌されはじめ、徐々にその分泌量が増え、分泌量が増えれば増えるほど夜寝る頃に強い眠気を引き起こしてくれるのです。明るい環境下にいるとこのメラトニンの分泌が阻害され、なかなか眠くならない、寝付けないという睡眠障害を起してしまいます。ただでさえ現代人は60年前の人と比べて4倍もの光量を浴びており、その上近年ではスマートフォンからの光量が重なり、ますます睡眠が乱れつつあるのです。

質の良い睡眠をとるために
このようにスマートフォンは睡眠に大きく影響しています。睡眠の乱れは心臓病やうつ病、肥満や糖尿病、集中力低下など体にとってマイナスな事ばかりです。かといってパソコンやスマートフォンを利用しないでいられる訳もありませんよね。常日頃からこれらの悪影響を意識し、質の良い睡眠を心がける事が大切です。具体的にいうと「スマートフォンやパソコンを意味もなくダラダラと利用しない」「画面からなるべく目を離す」「画面の明るさを少し暗めに設定する」といった事を続けていれば、だいぶ改善されていくことでしょう。

最も懸念される「スマホ依存」

網膜や睡眠へなどフィジカル面で懸念される問題に対し、メンタル面への影響も非常に心配されています。ゲームやSNSなどを常にチェックし、四六時中触っていないと落ち着かない人が急増しています。それは車の運転中でも食事中でも知人との会話中でもです。特に中高生などの未成年の依存度が高わが問題になっていて、高校生の実に6割が依存傾向が強くなっています。この問題は社会問題として各分野の専門家が警鐘をならしています。

依存する理由とは
それはもちろん、楽しく便利な機能が次から次へと出てきますし、あらゆるツールで第三者とのコミュニケーションネットワークが形成され、友達が沢山出来て楽しいからです。しかし、このネットワークが依存の大きな要因の一つになっています。例えばTwitterやLINEで誰かからの発信があった場合コメントを書かないと仲間はずれにされるという脅迫感にさいなまれ、何度も何度も返信し続けたり、逆に自分が発信しても相手からの返信がなかった場合に「私はその人に嫌われてしまっているのかも」と落ち込んでしまうなど、便利だ、楽しいと思っていたツールがいつの間にかそのツールに縛られる結果になってしまっていることがあるんです。これにより精神的な病を発症してしまったり、海外では友達登録から削除されたことに腹を立て、殺人まで起してしまったケースなどもあります。ネットショップもカートのみ設置すれば良いので簡単にできます。

2歳児の2割がスマートフォンを利用
2歳児の2割がほとんど毎日スマートフォンをいじっているという信じがたい報告があります。しかもこれは海外の話ではなく日本国内の話なんです。「魔の2歳児」と言われるほど子育て中の親にとって2歳頃の子供の世話はとても大変ですよね。そこでついついスマートフォンを子供に握らせて大人しくしていてもらいたいという気持ちは同じ子育て経験者として分からなくもありません。しかし2歳からスマートフォンをいじっている子供はどんな大人に成長していくのか考えると恐ろしくもあります。私の子供が2歳の時にスマートフォンがなくて良かったとさえ思ってしまいます。実際、最近の幼稚園児や小学生低学年が「殺す」や「死ね」というような言葉を普段の会話で普通に使っているのはこのスマートフォンの影響が大きいといわれています。

スマホ依存に陥らないために
「ダラダラと無意味に利用しない」ということはもちろんの事、「スマートフォンをいじっている時間をとれないほど、またはいじりたいと思えなくなるほど楽しい事や打ち込める事を見つける」という方法があります。例えば仕事帰りに1時間でもテニススクールに通えばそこで新たな友達とのネットワークが出来ますし、体を動かして疲れて帰ればきっと質の良い睡眠もとれることでしょう。また、「TwitterなどのSNSの登録アカウントを思い切って削除してしまう」という方法もあります。実際にそうする人が最近は増えつつあり、特にfacebookを利用していたけれど登録を削除してしまったという人が増えています。facebookが日本に上陸して5年、「いいね」ボタンやコメントへストレスを感じ、疲れ果ててしまったからです。もし誰かに「なんで登録削除しちゃったの?」と聞かれたら「もう飽きちゃったから」と言えば済むことです。

スマートフォンと上手に付き合うことが大切

ここまでスマートフォンが私たちに及ぼす悪影響ばかりを紹介してきました。日経新聞でも取り上げられています。しかし忘れてはいけない事。それは、このようにスマートフォンの悪影響が問題視され始めてきているのは、それだけスマートフォンは人々を虜にしてしまうほどとても魅力的な媒体だからということです。。「スマートフォンにコントロールされずにスマートフォンをコントロール」する。ここを抑えて自分の生活をしっかりと持ち、正しく利用していけば何ら問題はなく、むしろスマートフォンは私たちにいろいろな面でたくさんの良い影響をもたらしてくれることでしょう。